テクモの刻命館ゲームシリーズのトラップを,「蒼魔灯」のベースサークル・エンブレムのトラップ合成システムに基づき二次元に並べ,それに刻命館・影牢・影牢 2 の罠を付加した表を作りました。また,トラップの再利用のされやすさの観点から,市民権のあるトラップやその分類について考察しました。
テクモのトラップバトルゲームの刻命館シリーズ(その他: 影牢,蒼魔灯,影牢 2 など),だいすきです。特に魅力的な各種トラップに心惹かれます。
愛らしいトラップたちについて理解を深めるべくもやもやと調べ物をしていたところ,シリーズ全体におけるトラップの役割とか,「これは外せない!」なトラップがどのあたりなのかについて調べたくなりました。Wikipedia には,「刻命館シリーズの罠一覧」というエントリがあって,これは五十音順にトラップを眺めるのには便利なのですが,どのジャンルのトラップがよく使われているのか,とか,どのトラップとトラップとが近いのか,とかを眺めるのには十分ではなさそうです。ちょうどこのような目的に利用できる文書が欲しくなったので,作ってみました。
多くのトラップ全体を視覚化するためには,その方針が重要です。ここでは実証的アプローチとして,各作品のトラップの生成方法に着目しました。
刻命館や蒼魔灯のシリーズからは表が,影牢・影牢 2 のシステムからは樹形図が作れそうです。どれかをベースにして,それに他作のトラップを付加するのがよさそうですが,この方針にはトラップ数を考慮するのが良さそうです。すなわち,圧倒的にトラップの多い蒼魔灯の表をベースにして,そこに他の作品のトラップを付加するのがベストと考えました。生成方式としては蒼魔灯がいちばんシステマチックでもあるしね。
以下がその表で,蒼魔灯のトラップシステムに基づいた10ベースサークル×9エンブレムの表に,他作のトラップを主観的に付け加えていったものです。
ベースサークル | サンダー | ファイアー | コールド | インパクト | ライジング | カースド | カオス | ヘル | スレイブ | 計 |
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10 | 4 | 5 | 3 | 6 | 5 | 5 | 6 | 6 | 2 | 52 |
メガロック(影,蒼,影2)
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ボルトロック(影,蒼,影2) | フレアロック(影,蒼,影2) | スノーボール(蒼,影2) |
アイアンボール(影,蒼,影2)
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バウンドロック |
バンパイアロック
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ステルスロック |
イビルスタンプ(影,蒼,影2)
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スレイブロック | 7 |
ペンデュラム(蒼,影2) | トールハンマー | ファイアーハンマー | スノークレイドル |
スマッシュハンマー
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メガヨーヨー(蒼,影2)
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ポイズンブレード
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メガバズソー(蒼,影2) | イビルシュート | スレイブハンマー | 4 |
カビン(影,蒼,影2)
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デンゲキカビン
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バクダンカビン
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レイトウカビン |
タライ(影,蒼,影2)
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クレーン
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アブラカビン(影,蒼,影2) |
コンフューズガス(影,蒼)
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ジェノサイドアイ
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ドレイカメン
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8 |
プッシュウォール(蒼,影2)
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サンダーウォール | ヒートブレス(影,蒼) | コールドブレス |
スマッシュウォール(蒼,影2)
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アッパーウォール |
バンパイアウォール
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エキスパンダー
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イビルキック(影,蒼,影2) | ハンターブレード | 5 |
マグネットウォール(蒼,影2)
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スパークマグネット
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ブラストマグネット | コールドマグネット | アンチマグネット | フロートマグネット | バーサーカー |
ワープホール
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コールオブヘル
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スレイブマグネット | 2 |
アロースリット(影,蒼,影2)
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サンダージャベリン(蒼,影2) |
ファイアーボール(影,蒼,影2)
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コールドアロー(影,蒼,影2) |
バズソー(影,蒼)
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ライジングボール | フラッシュアロー |
チェインニードル(影,蒼)
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ヘルレーザー
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ローリングボム(影,蒼,影2)
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8 |
スプリングフロア(影,蒼,影2)
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スパークフロア | ブラストフロア | コールドブリザード | スマッシュフロア(影,蒼,影2) |
ライジングフロア(蒼,影2)
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アキレスカッター | カタパルト(蒼,影2) | イビルアッパー(影,蒼,影2) |
スライドフロア
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5 |
バキュームフロア(影,蒼,影2)
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スパークバキューム | ブラストバキューム | コールドバキューム | アンチバキューム | フロートバキューム | パニックバキューム |
グラビトン
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ヘルディメンション | スレイブバキューム | 1 |
ブラストボム(影,蒼,影2)
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スパークロッド(影,蒼,影2)
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ヘルファイアー(影,蒼,影2)
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コールドブラスト | ショックウェーブ |
ライジングマイン
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フラッシュボム(影,蒼)
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クエイクボム(影,蒼,影2)
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ヘルジャッジメント | スレイブボム | 6 |
ベアトラップ(刻,影,蒼,影2)
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サンダークロー
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ブラストクロー |
コールドクロー(影,蒼)
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ヘビークロー(影,蒼) |
リフトクロー
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オイルクロー | マジックバブル(影,蒼) |
イビルクロー
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スレイブクロー | 6 |
表中のカッコ書き「刻」「影」「蒼」「影2」は,それぞれ「刻命館」「影牢」「蒼魔灯」「影牢2」の略で,それぞれの作品で使われたトラップであることを表します。無印は,蒼魔灯のみで使われていることを表します。
蒼魔灯には存在しない他作のトラップ(以下,関連トラップ)は,それなりに近い蒼魔灯のトラップ(以下,主トラップ)の欄に埋めています。CSS が効いていれば,関連トラップは小さく表示されるはずです。埋めた際に,以下の 3 種類の分類記号を付与しました。
表中の数字は,「再利用された」主トラップの数です。ここで「再利用された」とは,そのトラップが蒼魔灯以外の作品でも用いられたか(= カッコ書き有),あるいは別名・亜種トラップが存在する(= 遠戚以外の関連トラップ有)場合をいいます。CSS が適用されていれば,再利用{された, されていない}トラップは{濃い, 薄い}背景色で表示されているはずです。
分類では,刻命館と蒼魔灯のライジングフロアを区別しました。前者は,盛り上がる床と天井とでプレスをかける,リフトフロア的なものであるのに対し,後者は打ち上げて天井に叩きつけるヘブンズフロア的なものであるためです。同様に,影牢と影牢2のプレスウォールも区別しました(これらは全く別物)。このように,関連トラップの分類では(頑張って客観的になるよう努めているものの,それでも)筆者(klm)の主観が多く含まれており,その結果,「再利用数」もとても主観的です。
また,今回は倒れる柱をはじめとする既設のトラップは考慮に入れていません。ペンデュラムやメイデンハッグ,ヤリシリーズやデスピラーは既設のものと絡めると大分市民権が向上するのですが,それはまたの機会にでも(ベースとなる分類がないので可視化しづらかったのです,というのが言い訳)。
ここでは以下の点についてみていきます。後者はついでです。
まず,4 作すべてで使われているトラップは,とても市民権のあるものであるといえそうです。これは以下の四つ。
ベアトラップは名前もブレがなくピカイチですね。特に前提のない「刻命館シリーズのトラップ」ってのにアイコンにつけようと思ったらベアトラップの絵をあてたくなる気持ちが僕の中で補強されました。
続いて,3作で使われているトラップたち。
多くは影牢以降に定番となった罠ですね。おおむね許容できそうな感じです。蒼魔灯のベースサークルは(厳密にはペンデュラムを除いては)全部出自がきちんと影牢にあるので,そういう意味でもだいたいの有名どころがここにリストアップされるのは納得できます。
最後に,「再利用数」に基づいた蒼魔灯のベースサークル・エンブレムに対する考察です。ありていにいうと,数字の低いベースサークル・エンブレムは,「蒼魔灯独自である」,逆に高いものは,「シリーズ全般にわたって,トラップの形状や特性の分類として有効である」といえそうです。
ベースサークルで再利用数の高いものはカビン・アロースリット(ともに 8),一方低いものはマグネットウォール(2)・バキュームフロア(1)ですね。カビンがきてくれたのは嬉しい(カビン好き)。アロー系は影牢にいっぱいあるのが効いているのだと思います。一方マグネット・バキュームですが,まぁこれはね...。苦しそうなトラップ多いですし。
エンブレムで再利用数の高いものはエンブレム無し(10),インパクト・カオス・ヘル(いずれも 6),一方低いものはコールド(3),スレイブ(2)でしょうか。無しがダントツなのはまぁ当然として,インパクトやカオスが高いのは,そもそも分類できないけどよくあるトラップを亜種としてここに入れているのが多いからなのでは? と思います。ヘルが人気なのは魔神様々ですね。低い方は,スレイブはまぁ当然として(笑),ブラストとサンダーがくるかと思いきや,僕の予想を外れてコールドでした(あまり有意な差でもなさそうですが)。スノークレイドルはみてて楽しいよ,あとコールドブレスは便利だと思うよ,と謎の擁護。
刻命館シリーズのトラップを,「蒼魔灯」のトラップ合成システムに基づき二次元に並べ,それに刻命館・影牢・影牢 2 の罠を付加しました。 ベアトラップ,タライ,イビルスタンプ,マグネットウォールといったあたりが超市民権のあるトラップ,カビンやアロースリット,ヘルといったベースサークル・エンブレムがシリーズ全般にわたって広く利用されているトラップ分類である(かもしれない)ことがわかりました。
今後の課題として,既設トラップや携帯版影牢のデータの導入などを考えています。